治療経緯
5ヶ月以上前に他の歯科医院にて歯を抜いた後、アゴの骨が少なく歯ぐきもあまりないので、インプラントは難しいと言われ、歯を削るブリッジを嫌い、入れ歯を使われていました。入れ歯だと、取り外しをしなければならないこと、また何より時々強く噛むと痛みがあり、噛みにくく、噛んだ感じが弱く感じることから、専門的な治療でインプラントはできないかと患者様からご相談を受けました。
初診時のお口の中の写真とレントゲン写真
右下奥歯の歯を抜いた部位は、ほほ側の歯ぐきがあまりなく、歯ぐきの中央が深く凹んでいました。レントゲンを撮ると、確かにインプラントを入れることが可能なアゴの骨がありませんでした。
しかし、患者様は『噛みにくい入れ歯は嫌だが、ブリッジのように歯を削りたくない。できるならインプラントにしたい。』とインプラント治療を希望され、特殊な治療も含むインプラント治療を行うこととなりました。
治療後のお口の写真とレントゲン
今回インプラントを入れる部位にアゴの骨がなかったため、人工骨を用いてアゴの骨を造り、そこにインプラント治療を行いました。また、前歯にあるような硬い歯ぐきもあまりなかったため、せっかく入れたインプラントが歯周病にならないように、また、せっかく造ったアゴの骨が吸収してなくなってしまわないように、硬い歯ぐきの移植も行いました。
いくつかの外科手術を伴う治療でしたが、治療後5年が経ち、3ヶ月に1回の定期検診で特に追加の治療もなく、良好に噛めていらっしゃいます。
治療前・治療後の比較写真とレントゲン
歯のない部分にインプラントが入り、歯ぐきも移植することで、歯ぐきの凹みなどが改善しました。レントゲンでは明らかにインプラントを支える骨ができているのがわかります。患者様は、しっかりと奥歯で噛める感覚が戻り、一本も歯を削ることなく済んだことに満足されていました。
治療の詳細
患者様の年齢・性別 | 39歳・男性 |
主訴 | 他院にてインプラント治療は難しいと言われたがインプラントにしたい |
治療内容 | 咬み合わせ治療(骨造成,歯肉移植,インプラント治療) |
費用 | 約90万円(保険治療費は含まれない) |
期間 | 約1年6ヶ月 |
リスク・副作用 | 治療後の定期検診はしっかり通っていただかないと、インプラント周囲に炎症 が生じ歯周病になるなど、様々なトラブルが起こる可能性があります |
患者様は、歯を削る治療を嫌いインプラント治療を希望されたものの、他院にてインプラント治療は難しいと言われ、なんとかできないかと思われ来院されました。いくつかの外科的な治療を伴いましたが、歯周および咬み合わせの専門的な視点から、特殊な治療で“歯周組織の再生”をこころみることにより、インプラント治療が可能となりました。今ではどのようなものでもしっかり噛めて、噛みごたえがあることに喜ばれ、患者様の『しっかり噛めることの“幸せ”』に貢献することができました。